なにかものを作るとき、あれこれ考えすぎてモタモタするのが一番危険だ。準備や前段階のプロセスで悩殺され時間があっという間に過ぎる。
クリエイティブな作業でも思いついたらとにかく粗削りでも形を作る。これが大事だと思う。
これはソフトウェアの開発でも、学術論文の執筆でも、アートやデザイン系の作品にも同じことが言えると思う。そして作ったあとで考えて必要なら修正する。だから私にとってはプロトタイピング(試作品を作る過程)は大事なのだ。ポイントは、
- 締切を設定する。いつまでにデリバラブルにするか。
- ブレインストーミングをやり、周りの人の意見を求め、それを参考にする。
- 2でいけそうだったら、試作品作りを一気にやる。寝食を忘れて熱中するぐらい。
- 完璧はありえないので、50%ぐらいの出来でよしとする。しかし、どうしてもその出来で満足いかないものになりそうだったら遠慮なく全部ぶち壊す。
- 上記2−4を繰り返す。
1のおすすめはピッチやデモデイのイベントなどプレゼン大会や会合に出場を登録する。作品ができていなくてもだ。2はブレインストーミングしながら仲のいいクリエーターに説明する。説明しながら自分が何をやりたいのか気づくことも多い。必ずフィードバックをもらってどんどん仲間に引き込もう。3で実行あるのみ。プロジェクト名をつけて自分たちでTシャツやロゴを作ってもいい。4では50%ぐらいの出来で一度信用できる人(上司や資金提供者はだめ)にみせる。行けそうだったらどんどん作り込む。さらに未完のうちの50%に集中しよう(トータルで75%の出来)。
これを締め切りまで繰り返す。ただし締切後はやってはいけない。そういうルールを自分で作ると、締切一分前まで集中できる。実は2017年にブルックリン区長から表彰されたスマートガン・デザインコンペティションもこれできりぬけた。
副題はロス・ペロー氏の言葉、構えて撃ってから狙え(READY, FIRE, AIM)の私流のアレンジ。ペロー氏は構えて狙ってから撃っていたら間に合わない、ビジネスの世界では構えて撃ってから狙いを修正しろ、の意味である。
この記事の副題は、とりあえず撃て(トリガーを引け)そして構えて狙いを定めよ、の意。そう、イノベーションの世界で戦うには 「撃ってから構えて狙え!」の俊足さが必要、と私は言いたい。
読んでくれてありがとうございます。Dr. マサト・ナカムラ