質問者Bさん「アメリカで工学の学生をやっているのですが、長期インターンシップを2回した後、エンジニアとして働くことに幻滅してしまいました。計算とCADとプログラミングばっかりで、新鮮味がに日に日になくなっていくのを感じました。自分がやりたかった仕事はこんなちまちましたものじゃない!と思ってしまっています。
もっと広い世界を見たいし、大きな仕事を動かせる文系的(広すぎますが)なキャリアを目指そうと思います。どういった業界が理系には有利でしょうか?」
エンジニアとして働くことに幻滅。。気持ちよく解ります。
僕「大学生や社会人が就職・転職するとき注意すべきポイントはいくつかありますが、今回は質問者さんの回答に集中したいと思います。
アメリカで工学の学生とのこと。2回のインターンよく頑張りましたね。エンジニアとして働くことに幻滅してしまいました、っていう気持ちよく解ります。というのも、スペシャリストは専門性が高いので、狭い分野で活躍することが多いですからね。
『もっと広い世界を見たい』というのもよくわかります。グローバルに活躍したいのなら、国際機関やNPO、NGO、政府系や財閥・コングロマリット系、後は多国籍企業を調べると自分の好みがわかってきますよ。また、『大きな仕事を動かせる文系的なキャリアを目指そうと思います』とのこと。大きな仕事の定義にもよりますが、例えば物理的な規模の大きさだと橋やダムを作るインフラプロジェクトのリーダー、政治的な大きなものだと、県職員や国家公務員、県議員や国会議員などおススメです。国連職員もいいかもです。金銭的に大きい仕事なら金融系をお勧めします。ヘッジファンドや資産運用系のファームでのトレーダーや、ポートフォリオマネージャー、理系にこだわるなら、クオンツ(Quantitative Analyst)などの金融工学を使う職種もおススメです。
大卒時のアドバンテージが定年を迎えるまで続かない
業界勢力図は目まぐるしく変わる
『どういった業界が理系には有利でしょうか?』という質問ですが、そうですね、理系として有利な業界を探すという発想で就職活動をやると、分野が限られて逆に不利になる危険性があります。質問者Bさんがどんな工学の専攻かわかりませんが、もし僕の学生に同じ内容を相談されたら、有利か不利かじゃなくて何をやりたいか、または、何をやりたくないかで決めるようにアドバイスします。そもそも大卒時の有利さやアドバンテージが今後Bさんが定年を迎えるまで続くとは思えません。業界勢力図は目まぐるしく変わるし、現在トップの会社も10年持つかどうかもわかりません。 ただ少なくとも現時点で、計算とCADとプログラミングばっかりは嫌だということははっきりしているので、エンジニアのポジションは避けて、マーケティング、セールス、会計、デザインなどで業界を絞るのも手かもしれません。
エンジニアリング・スクール出身者が、アメリカで特に工学やテクノロジーに関係のないところのビジネスで勝負するなら、僕は将来MBA(経営学修士号)の取得をお勧めします。ビジネススクールはビジネス的に貪欲な若者が集まりますし、ビジネスを体系的に学ぶいい機会だと思います。それと、アメリカは日本以上に学歴社会で、スペシャリストやエキスパートになるなら専門の教育を修めるのは当たり前だと思っていいですよ。応援しています。
マサトナカムラ 」