【質問答えます】将来、米国でも活躍できるエンジニアになりたいという夢があります。ただ、この選択が最善なのか自信がありません

質問者ABさん「いつもタメになるツイートをしていただき、ありがとうございます。 進路について悩んでいるため、質問を送らせていただきました。 将来、米国でも活躍できるエンジニアになりたいという夢があります。 しかし、現在大学4年で経済学部、GPAは低く英語力もなく、エンジニア力もないという状況です。 この状態で今から挽回するためには、企業でエンジニアとしての勉強や経験を積みつつ英語を勉強し、自分の社会人経験をアピールしてCSの院に行くのが良いのかなと思っています。 ただ、調べて得た知識しかないため、この選択が最善なのか自信がありません。そこで米国に知見があるMasato様からアドバイスをいただきたいです。 長文失礼いたしました。 よろしくお願いいたします。」

僕「ABさん、質問ありがとうございます。大学4年生で経済学部なんですね。将来米国でも活躍できるエンジニアになりたいという夢、素晴らしいと思います。

アメリカの企業で働く本当のエンジニアは、建築士や医者、弁護士のように、州が認定するプロフェッショナル・ライセンスを持っています。工学の知識も物理・化学・数学の基礎を持ち合わせているのは勿論のこと、土木工学、機械工学、電気工学など自分の専門の知識も要求されます。ただ、ソフトウエアやコンピュータ業界の場合産業が新しいため、エンジニアというポジションも業務内容は実質テクニシャンがやるようなもので、名前だけ”エンジニア”という場合も多いです。米国ですらIT業界はまだまだ人手が足りないのです。

さてABさんは、GPAが低いこと、英語力がない、エンジニアの能力もない、との自己評価のこと。これを挽回するために企業で頑張り、CSの院に行きたいと思っているのは素晴らしいことだと思います。この選択がABさんにとって最善なのかどうかは本人次第ですが、そういう夢を持って勉強していくうちに、自分の好き嫌いや進みたい道が定まってくる場合が多いです。

実際、工学の知識がない人がWebデザインなどの仕事をやり、CSの大学院に行きたいと思う場合も多いです。それは、写真を撮るカメラマン(フォトグラファー)と、カメラを作る精密機械工学者との違いがあるかもしれません。つまり、コンピューターを使って何かをやりたい人と、コンピューター(やシステム)そのものを作る人とでは知識の違いがあるということです。幸い、そのような違いはIT業界ではあまり感じることが少ない場合が多いですが、それでもコンピュータサイエンスを学ぶということと、”エンジニア”としてテクニシャンがやる業務(ソフトウェア開発やプログラミング、データマイニング)とでは、知識やハンズオンスキルの性質が違うということを頭の片隅に置いておくのがいいでしょう。事実プログラマーをやるだけならコンピューターサイエンスの理論や知識は必要ありませんし、CSの修士を持っていなくても活躍出来ます。

ABさんにとって、実際の企業で働くことで新しい知見も見えてくるでしょうし、いい経験になると思います。本当に自分が必要と感じるのなら、企業にいても英語を勉強するでしょうし、エンジニアとしての素養も身に着けるでしょう。どうか初志貫徹を目指してください。一方で変更可能(修正可能)な要素を持っていても構いません。選択が最善なのかどうかという答えはABさんにしか解り得ませんが、絶えず問い続けるというのが大事ですよ。

ABさんの情熱がどこにあるのか自分の胸に聞いてみてください。そしてその時点で最善と思う事に全力でやってみてください。行動あるのみです。

応援しています。

マサトナカムラ」

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